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第75回久留米茶道連合会法要大茶会
― 梅林寺を訪れて ―

令和5年11月12日朝7時。「第75回久留米茶道連合会法要大茶会」の取材のため梅林寺を訪れました。
早朝ということもあり敷地内に入ってもひっそりとして静かでしたが、一度寺内に入ると多くの人が行き交い、法要や茶席の準備が粛々と進められていました。
趣のある竈でお湯が沸かされ、年季の入った重厚感のある板張りなど特別な時間へ緊張感が高まりました。
まずはじめに、故人を供養する「お供茶」が始まり、厳かな雰囲気のなかでお茶が献じられる様子を少し離れたところから見学させて頂き、身の引き締まる思いがしました。
初めて見る儀式に圧倒されていると、次は堂内に鳴り響く太鼓の音とともに「お施餓鬼法要」が始まり、茶の湯が始まる時間が近づくと、着物に身を包んだ多くの人が次々と集まって来られました。その後始まった4流派ごとの茶席では、緊張の面持ちでお部屋に入っていくお客様が、茶の湯のおもてなしを受けて、楽しそうな表情で戻って来られる様子や、お茶碗やお道具を興味深くご覧になる姿が印象的でした。
流派を超えて多くの方が携わり、先人に礼を尽くされる姿、お客様に心を尽くしたおもてなしをされる姿を目の当たりにし、日本の心を体感する貴重な時間を過ごすことができました。
今回は茶道部の一活動をほんの少しですが、ご紹介させて頂きました。このほかにも、4月には久留米シティプラザにおいて「第70回久留米連合文化会茶道部大茶会 」の開催などが予定されています。
ご承知のとおり久留米連合文化会では文芸、美術、舞台芸術、華道部門と様々な文化活動に触れる機会に恵まれています。例年開催されている展覧会やコンサートなどもあれば、周年記念の催し、 青年部会員によるイベントなども行われています。会員の皆様もぜひ各部からのお知らせ(会報裏表紙や連文ホームページ)などチェックして頂き、機会を逃さず様々な文化を楽しんで頂けたらなと思っております。
― 久留米茶道連合会 法要大茶会について ―


茶道部のお世話役・田中宗俊先生に法要大茶会の歴史などについて伺いました。
この法要大茶会は、戦後の戦死者を供養することを目的として昭和24年頃からスタートし、今日に至っては亡くなられた茶人の方を供養するようになっています。発足当初のメンバーは、大日本茶道学会、裏千家、江戸千家、番茶道(皇風煎茶禮式清和会)、表千家不白流、南坊流の方々が、今日では、大日本茶道学会、裏千家、江戸千家、表千家不白流の四流が参加しています。今日でも茶会が主ではなく、供養を主とした法要を行っており、そのあとに、茶の湯を楽しんでいただくようにしております。
今年も、参加者は会員と一般客を合わせて337名と多く方に参加していただくことができました。無事に開催できましたこと、この場を借りて感謝申し上げます。
広報委員会副委員長 伊藤 花珠